「肉を入れてもらえますか?」――。
韓国を初めて訪れたときに入った飲食店で、石焼ビビンバを注文した。熱い石鍋にナムルやコチュジャン、そして上に載った少量の焼肉を期待し、料理が出てくるのを待っていた。
しかし、テーブルに出てきたビビンバには「肉」が入っていない。つたない英語で「ビーフ、ミート」とジェスチャーをまじえながら説明すると、店員はその意図すら理解できないようだった。
後日、現地で韓国語を勉強し始めたときに、その時のエピソードを友人に話すと、皆、口をそろえて言う。「石焼ビビンバに肉は入れない。野菜だけ」と。日本でアレンジされたのか、韓国で自分が出会わなかっただけなのか。肉を入れた方が絶対に美味しいと思うのだが……。(H)
(写真/韓国観光公社)