サムスン電子は2021年1月、ギャラクシーS21(Galaxy S21)を発売した。スマートフォンを購入する時に重要な要素となるカメラ機能だが、人気スマホになったギャラクシーのカメラ機能はどう変わったか。
サムスン電子は2000年に当時、カメラ付携帯電話であるSCH-V200を発売した。「カメラの違いがまさににスマートフォンの違い(카메라의 차이가 곧 스마트폰의 차이)」というキャッチフレーズで販促キャンペーンを実施。革新的な技術とノウハウをもとにカメラ機能を充実させてきた。11年間の技術革新をキーワードに、サムスン電子がその違い、発展を分析した。
▽ ギャラクシーS:見る時よりも広い「パノラマショット」 (2010年)
ギャラクシーSは、映像通話が可能なVGAのフロントカメラと、HD級の動画が撮影できる500万画素の背面カメラを搭載。リアカメラは、オートフォーカスや顔認識、手ブレ防止機能などをサポートし、ユーザーが肉眼で見るよりも広い画面を入れることができる「パノラマショット」を機能に盛り込んだ。
▽ギャラクシーS2:暗い夜にも問題なくカチッ「LEDフラッシュ」 (2011年)
ギャラクシーS発売から1年後に販売開始したギャラクシーS2は、カメラの性能を大幅に強化した。前面200万画素、背面800万画素、LEDフラッシュを搭載し夜間撮影が可能になった。オートフォーカス機能、撮った写真をペンで描いた漫画に変える「漫画機能」も追加した。
▽ギャラクシーS3:ワンタッチで20枚撮影「バーストショット」(2012年)
2012年に発売したギャラクシーS3から、一度のジャンプでも完璧な「空中浮揚ショット」が撮れる連続撮影機能を搭載。前面190万画素、背面800万画素のカメラは、約3.3秒間隔で20枚まで連続撮影できる「バーストショット(Burst Shot)」、連続撮影した8枚の写真の中で最もよく撮れた写真を選択する「ベストフォト(Best Photo)」、シャッターを押すとすぐ遅延なしで撮影可能な「ゼロシャッターラグ(Zero Shutter Lag)」などの機能を搭載した。
▽ギャラクシーS4:画面2つのシーン「デュアルショット」(2013年)
ギャラクシーS4は、200万画素のフロントカメラ、1,300万画素の背面カメラを搭載し1,000万画素時代を開いた。大切な瞬間を、単なる「一枚の写真」ではなく「ストーリー」として入れることができる機能を搭載した。背面と前面のカメラを同時に使用し、写真を撮る人と撮られる人を一つのフレームに入れることができる「デュアルショット(Dual Shot)」が代表的な例だ。
この他、撮影当時の音や音声を写真と一緒に入れることができる「サウンド・アンド・ショット(Sound&Shot)」や、複数枚の写真を高速撮影して1つの画像に合成する「ドラマショット(Drama Shot)」は、風変わりな機能だった。
▽ギャラクシーS5:どんな環境でも鮮明な画像を「リアルタイムHDR」(2014年)
ギャラクシーS5の最大の変化は、業界初の1,600万画素ISOセル(ISOCELL)方式のカメラを搭載したことであった。ISOセル方式は、各ピクセルに入ってきた光が周囲のピクセルに影響を与える「干渉形状」を最小化し、光の損失を減らしたのが特徴だ。光が少ない暗い空間でも、よりきれいな写真を撮影することができるようになった。撮影した後、補正する既存のHDRモードを一段階引き上げたことも、もう一つの進化ポイントと言える。写真や動画の撮影時のHDR機能をリアルタイムで適用して、暗い室内や逆光でも豊かな色彩の画像を得ることができた。
▽ギャラクシーS6:重要な瞬間を逃さないように「0.7秒の実行」(2015年)
大切な瞬間を撮影しようと、スマートフォンのあちこちをタッチしてみると、すでにその瞬間を逃しているというのが常だ。ギャラクシーS6は、ユーザーのこのような不満を解消するためにホームボタンを2回連続して押すと、わずか0.7秒でカメラを起動するクイックランチ機能を搭載した。動く物体を自動で追跡しフォーカスを合わせる機能を搭載した他、前面に500万画素のF1.9のレンズを装着した。
▽ギャラクシーS7:迅速かつ正確にフォーカス実装「デュアルピクセルイメージセンサー」(2016年)
ギャラクシーS7は、最高級DSLRに使用される最新技術のデュアルピクセルイメージセンサーを採用。暗い場所でも明るく鮮明な写真撮影を迅速に行うことができるようになった。被写体を盛る画像のピクセルを2つに構成した「デュアルピクセル」は、画像と位相差を同時に測定して、暗いところでもすぐにオートフォーカスを合わせ、明るく鮮明な画像に仕上げる。ディスプレイを光源として活用する「セルピフラッシュ」機能も充実させた。結果として、ギャラクシーS7のカメラは、世界的権威のカメラ専門テスト機関であるDXOMARKから当時歴代最高点である88点を獲得している。
▽ギャラクシーS8:ワンショットだけで作品の写真のように「画像信号処理アルゴリズム」(2017年)
完璧な写真を撮影するためには、適切な光と被写体の動きを最小限に抑えなければならない。しかし、いざ撮影をする時は、これらの条件が整っていないことが多い。
ギャラクシーS8では、瞬時に3枚の写真を撮影し、その中で最も鮮やかなものを選ぶ「画像信号処理アルゴリズム」を改善させた。どんな状況でもブレずに鮮やかな写真を撮影できるようにした。当時、片手で操作するのが難しい6.2型の大型ディスプレイであったが、親指で画面を左右にスライドさせるフィルタやモードが変更されて上下にスライドさせると前・後面カメラの切り替え、ズーム・インアウトが操作できるなど、操作性も高めた。
▽ギャラクシーS9:昼も夜も鮮明な画像「デュアル絞り」(2018年)
ギャラクシーS9は、明るいところでは小さく、暗いところでは大きくなる虹彩のように周囲の環境に応じて光を受け入れる量を自動調整する「デュアル絞り」を搭載した。当時のスマートフォン・カメラの中で最も明るいF1.5レンズとF2.4レンズを搭載した前作に比べ、28%の光をより吸収して、暗いところでも鮮明な結果を得ることが可能になった。
毎秒960フレームを撮影する「スーパースローモーション」機能で目で見ることができない瞬間を記録することができる他、GIFファイルとして記録し簡単にソーシャルメディアに共有できるようにもなった。AR技術をカメラと組み合わせて、ユーザーの機能として表情までリアルタイムに沿って「AR絵文字」も作ることができる。
▽ギャラクシーS10:ブレのない映像撮影「スーパーステディ」(2019年)
ギャラクシーS10が発売された2019年に、日常を動画で記録するクリエイターが増加。このような現象を背景に、動画撮影を大幅に強化した「スーパーステディ」機能を適用した。この機能を活用すると、揺れる自転車に乗ったり、ダンスをしながら映像を撮影しても揺れが最小化され滑らかな映像を撮影することができるようになった。人の目で見るのと同じ本来の色味を引き出す「HDR10 +」規格の映像撮影も提供。1,600万画素の超広角カメラを活用しながら人の視野角のような123度の広角での撮影も可能にした。
▽ギャラクシーS20:遠くの被写体も鮮明「スペースズーム」(2020年)
圧倒的な性能で、スマートフォンの写真基準を新たに提示したギャラクシーS20。「ギャラクシーS20ウルトラ」は、1億800万画素、「ギャラクシーS20 +」と「ギャラクシーS20」は、6,400万画素の高画素カメラを搭載。
最も顕著な進化は遠くの被写体も鮮明に撮影できる「スペースズーム(Space Zoom)」だ。ハイブリッド光学ズームのAIベースのスーパーレゾリューションズームが加わり、ギャラクシーS20ウルトラでは、最大100倍ズーム撮影機能をサポートした。8K映像撮影を可能にしており、前作からより発展したスーパーステディモードでは、回転防止機能と人工知能ベースのモーションブンショク機能が加わり動きながらも安定した映像を撮影できるようにした。
▽ギャラクシーS21:大幅に強化されたAI技術搭載「カメラで日常のすべての瞬間を映画のように」(2021年)
日常のすべての瞬間をより輝いて特別に大事にすることができるように、ギャラクシーS21では、デバイスAIを搭載した最新のプロ級カメラやビデオ機能を搭載した。
ギャラクシーS21ウルトラは▽前面4,000万画素カメラ(f2.2)▽背面1,200万画素超広角(f2.2)▽1億800万画素メインカメラ(f1.8)▽1,000万画素望遠カメラ(f4 9)▽1,000万画素望遠(f2.4)――の計5つのカメラを搭載した。ギャラクシーS20とS20+は、▽前面1,000万画素のカメラ(f2.2)▽背面1,200万画素超広角(f2.2)▽1,200万、1億800万画素のメインカメラ(f1.8)▽6,400万画素( f2.0)――のカメラで構成。
サムスン初の2つの望遠レンズを搭載して揺れがほとんどない10倍光学ズームとレーザーオートフォーカス、デュアルピクセルオートフォーカスなどが活用できる。カメラの下部を通じてカメラセンサーの画角を事前に確認することができるディレクターズビュー(Director’s View)を使用すると、撮りたい対象を最適な形で表わすことができる。
カメラを活用して、コンテンツを制作するクリエイティブの場合、前面と背面のカメラを同時に活用して機能的に違った構成の映像も撮影することができる。すべてのレンズで4K 60fps映像を撮ることが可能だ。デュアルテレレンズを搭載して、どの距離でも鮮やかな写真を撮影することができる。
(文/コリアコリア編集部、写真/サムスン電子広報資料より)