タレントで歌人のカン・ハンナが、日本の第21回現代短歌新人賞を受賞した。受賞歌集は、昨年末に出版した初の歌集『まだまだです』(KADOKAWA)。
カン・ハンナは、韓国出身で9年前に来日。日本語ネイティブでないにも関わらず、権威ある短歌賞に連続入選するなど、表現力が高く評価されている。
2021年3年3月7日(日)に大宮ソニックシティビル4階「市民ホール」で表彰式を行う予定だ。
▽選考委員講評
来日して8年の著者が、日本における生活に順応し、定型詩の短歌に熟達された、珍しい成果。異文化をマスターしていく苦悩と熱情が、じつにみずみずしく表現され、この歌集は、歌壇を超えて愛読されるにちがいない。
▽現代短歌新人賞とは
日本現代短歌界の振興と、さいたま市民の文学活動の充実を図るために、歌壇に新風をもたらす方を表彰し、新人歌人の発掘・支援を行っている。第21回の対象は2019年10月1日から2020年9月30日までに刊行された、原則として第一歌集としている。
▽カン・ハンナの受賞コメント
この度は素敵な賞を頂き、誠にありがとうございました。
選考委員の先生方、NHKの関係様、事務所の方々にも深くお礼申し上げます。そして歌集『まだまだです』を読んでくださり、応援してくださったたくさんの方々にも感謝申し上げます。
私は日本の奥深い文化に興味を持ち、2011年に日本に来ました。その当時の私は日本語を一言も喋れず、日本に一人の知り合いもいませんでした。そんな私は運命のように短歌と出会い、一生懸命に頑張るだけ、気づいたらここまで来れました。本当に本当に嬉しく思っております。本当の始まりはこれからかもしれません。1300年の短歌の歴史の中、母国語じゃない初めての歌人になりましたが、心から短歌を尊敬し愛する外国人歌人として誠実に頑張っていけたらと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
<カン・ハンナ プロフィール>
1981年ソウル生まれ。淑明女子大学校卒業。韓国でニュースキャスター、経済専門チャンネルMCやコラムニストなどを経て、2011年に来日。2017年に第63回角川短歌賞次席など、入賞を重ねる。大学院の博士課程で日韓関係を学びながら、NHK Eテレ「NHK短歌」レギュラー出演。テレビ東京「未来世紀ジパング」で韓国事情を語るなど多方面で活動中。
▽作歌活動
平成26年~現在:「短歌 de 胸キュン」、「NHK 短歌」レギュラー出演
平成28年:角川短歌賞佳作
平成29年:角川短歌賞次席
平成30年:角川短歌賞佳作
令和元年:第一歌集『まだまだです』上梓
(文/コリアコリア編集部、写真/ホリプロ広報資料より)