サムスン電子は2020年11月4日、社内ベンチャー育成プログラム「Cラップインサイド」の3つの優れた事業の創業を支援すると発表した。2020年5月に独立した5チームに続き、今年だけで合計8つの社内ベンチャーが起業することになる。
Cラップインサイドは、サムスン電子が創造組織文化を拡散して従業員の革新的なアイデアを発掘するために、2012年12月から導入した社内ベンチャー育成プログラムだ。2015年からCラップスピンオフ制度を導入し、優れた事業提案者の独立を支援している。
今回の独立する3つの事業は、▽AI分析を通じて、個人カスタム脱毛管理ソリューションを提供する「ビーコン(Becon)」▽体系的な健康管理を支援するホームIoT尿検査システム「イエローシス(Yellosis)」▽人と人を接続するIoT機器とプラットフォームを開発する「バイブゾーン(VibeZone)」――。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増える中で、家庭で利用可能な課題を解決する事業の創業が傾向としてある。
「ビーコン」は、手軽に自宅でも脱毛の診断と予防が可能なセルフケアソリューションだ。専用機器で頭皮を撮影すると、感度、ケラチン、髪の密度など10種類のアイテムを診断する。AIが診断結果を分析し、ユーザーの頭皮と毛髪の状態に合わせてカスタマイズされたヘアケア製品を推薦して自宅でも簡単に管理できるように手伝う仕組みも取り入れている。2020年7月には「スマートデバイスショー(KITAS 2020)」に出展し、技術革新スマート機器に授与されるKITAS TOP 10に選ばれ注目を集めたという。
「イエローシス」は、体系的な健康管理を支援するホームIoT尿検査システムだ。トイレに取付けする機器を通じて自動的に尿検査が可能であり、スマートフォンでpH・ブドウ糖・・蛋白尿などの分析結果を確認することができる。検査結果は、累積的に管理されて健康状態の監視と異常発生時に利用者に通知する。
「バイブゾーン」の最初の商品は、有名人とそのファンを結ぶデジタルグッズ「ブリング(Bling)」だ。有名人がメッセージ信号を残せば、ファンが持っているブリングにリアルタイムで送信され、1対1で通信する感じを味わえることが特徴だという。
2015年8月に導入したCラップスピンオフ制度は、創業者の初期の事業資金と創業支援金を提供する他、スピンオフ後5年以内に再入社の機会を与えるなど、失敗を恐れず、自分のアイデアで創業まで挑戦することができる文化を社内に広げている。現在までに171人が創業に挑戦して48事業が会社を設立した。グローバル市場での製品の優秀性が認められ、海外市場攻略も本格化している。
(文/コリアコリア編集部、写真/サムスン電子広報資料より)